第1回ワクチンフォーラム

講演1 サーバリックス® 海外、国内における最新の臨床試験結果

座長:久留米大学医学部産婦人科学講座 主任教授 嘉村 敏治 先生

演者:筑波大学医学医療系産科婦人科学 教授 吉川 裕之 先生

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防することが子宮頸がんの制圧につながることが、世界で認知されつつあり、日本でも、女性特有のがんに対する関心が高まっている。本講演では、1978年からHPV感染と子宮頸がんの研究に携わってこられた、筑波大学医学医療系産科婦人科学 教授 吉川 裕之 先生が、サーバリックス®の海外、国内における最新の臨床試験結果について概説した。

  • 子宮頸部におけるHPV-16/18型の持続感染予防効果

    サーバリックス®は、日本での臨床試験で、子宮頸部におけるHPV-16/18型の持続感染(12ヵ月)と細胞診異常(ASC-US+)、CIN1+、CIN2+について、ワクチンの有効性がほぼ100%であるというデータが示された(表1)。

    表1 HPVワクチンの有効性:副次的探索的評価項目(TVC-E群)

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    また、抗体価についても自然感染で得られる抗体価と比較し、HPV-16型で51倍、HPV-18型で28倍と、24ヵ月時点でも高値であった(図1)。

    図1 HPV-16/18型 GMTs免疫原性(ATP)

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  • 妊娠への影響

    HPVワクチンの接種に際し、妊娠への影響が問われることがある。HPVワクチンに関して、流産率が高まることはなく、胎児への影響についても、コントロール群と比較して差がないというデータが示されている。

  • まとめ

    HPVワクチンだけでは、子宮頸がんを完全に予防することはできないが、子宮頸がん検診を組み合わせて受けることによって、子宮頸がんによる死亡リスクを大幅に低減することができると考える。子宮頸がんにより、生殖機能が失われたり、死に至るようなことにならないよう、まずはワクチン接種により一次感染予防を推進していくことが大事である。また、本年7月のEUROGINでは、日本人の長期(4年)フォローアップデータが公表される予定であり、本邦で使用するワクチンの有効性と安全性について、その結果が待たれるところである。
    (2012年6月24日現在)