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ロタウイルスワクチン

ロタウイルスワクチンとは

ロタウイルス胃腸炎は、激しい下痢や嘔吐による脱水で点滴や入院が必要なケースもあるなど、重症化すると大変な病気です。その予防に使われるロタウイルスワクチンは、ロタウイルスの病原性を弱めてつくられた経口生ワクチンで、甘いシロップ状の飲むタイプのワクチンです。

ワクチンを予防接種すると、赤ちゃんのおなかの中でロタウイルスに対する免疫がつくられます。そのため、ロタウイルスに感染しても胃腸炎を発症しないこと、または発症しても点滴や入院が必要になるほどの重症化をほとんど抑えられることが、国内外の臨床試験などで確かめられています。また、胃腸炎を起こす ロタウイルスには年や地域で流行状況に違いがありますが、免疫がつくと、赤ちゃんがロタウイルスから守られることも確かめられています。

  • 体質などにより、なかには効果がみとめられない人や接種できない人もいます。

ロタウイルス胃腸炎は「ワクチンで予防」が世界の常識?

感染力が強いため、衛生状態に気をつけても予防が難しいロタウイルス。何度か感染すると免疫がついて、胃腸炎の症状は軽くなりますが、赤ちゃんが初めて感染すると激しい下痢やおう吐を起こし、看病する家族にも大きな負担がかかります。赤ちゃんも家族もたいへんなロタウイルス胃腸炎を予防するワクチンが、世界130か国以上で認可されています。入院を必要とするような重症のロタウイルス胃腸炎は、ワクチン接種によって大多数を防ぐことができると考えられています。

一方、安全性について心配な方が多いかもしれません。このワクチンも他のワクチンと同様に、接種後に何らかの副反応が現れることがまれにあります。また、体質や体調によっては接種できない場合もあります。しかしワクチンを受けないでその病気にかかる確率のほうがはるかに高いことから、WHO(世界保健機関)では、ワクチンによるロタウイルス胃腸炎の予防を奨励しています(表)。すでに海外で多くの赤ちゃんが接種し、また、日本でもその効果と安全性が確かめられたことから、2011年11月より接種が可能になり、近年は約半数以上の赤ちゃんが接種しています(2012年7月~2014年11月までの平均)(※)。

  • 第4回ワクチン評価に関する小委員会資料 「ロタウイルスワクチンに関する評価・分析(2015年12月3日版)」
WHO推奨ワクチンと日本の予防接種 (2016年10月現在)
対象疾病(ワクチン) WHO(※) 日本(予防接種法)
ロタウイルス胃腸炎 推奨 任意接種
  • 参考:WHO Position Paper (21 March 17)

ロタウイルスワクチン接種後の注意点

国内外でのロタウイルスワクチン発売後の調査から、接種後に腸重積症のリスクが少し増加する可能性があるとされています。接種回にかかわらず接種後(特に1週間)は腸重積症の症状にご注意ください。

腸重積症とは

腸の一部が腸のほかの部分に入り込んでしまう、緊急性の高い病気です。
ワクチン接種の有無にかかわらず、0歳のお子さんがかかることが多い病気です。

腸重積症になると、腸が詰まって血液の流れが悪くなることで、腸の組織が死んでしまう(壊死する)ことがあります。腸重積症になった場合、通常は肛門から腸内に液(造影剤や水など)や空気を入れてもとに戻しますが、発症から時間が経つほど(12時間以上など)、そのような治療ではもとに戻りにくかったり、腸の壊死のために外科手術になる割合が増えるといわれています。

  • 泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
  • おう吐を繰り返す
  • ぐったりして顔色が悪くなる
  • 血便が出る

上記の症状が1つでもみられた場合は、腸重積症が疑われるため、ロタウイルスワクチン接種の有無にかかわらず速やかに医療機関を受診してください。